どのように薬の在庫の管理をしているか知らない方が多いと思います。
会社や店舗の規模で変わってくるところではありますが、基本的なことは変わらないので紹介していきます。
まず、薬の購入ですが、基本的に卸にお願いします。
アルフレッサ、メディセオ、スズケン等が有名です。
注文方法は主に電話か発注システムを使用します。
毎日まとめて薬を納品してくれる通常の配送と、急ぎで個別にお願いする急配の2通りあります。
通常の配送は、午前のみの場合、午前と午後2回ある場合など店舗や場所で違います。
前日に注文した薬を次の日の午前中に届けてくれる、といった感じになります。
急配は、例えば在庫がない薬が処方された場合などでお願いします。
卸にも人員等都合があるので、お願いしてもできない場合もあります。
急ぐ場合かつ卸の営業所が近い場合、直接取りに行くという店もありました。
次に在庫しておく薬の選別についてです。
基本的になるべく店に置いておく薬は少なくしておきたいのがどの会社でも共通します。
これは薬を在庫しておけばしておくほど、利益的にマイナスですし、使いきれず期限が切れてしまうリスクがあがり、店の損失につながるためです。
当然、在庫が少なすぎると足りなくなるためどこのお店でもラインの見極めが重要になります。
特に抗がん剤など単価が高いものについては厳しく管理している店が多く、来局予想日の直前に注文する、処方が出てから注文するなど工夫しています。
また、医師の都合で急に使わない薬が出てきたり、そもそも滅多に使わない薬の場合、数ヶ月全く処方されないということがあります。
こういった薬のことを不動在庫と呼んでおり、どこのお店でも不動在庫がなるべく少なくなるよう苦心しています。
具体的には、複数店舗があればその薬が動いている店に送ったり、他の会社の薬局に定価以下で売却するという方法もあります。
また、薬の箱を開封していなければ、卸に返品することもできます。
100錠や1000錠単位で購入することも多いので、破棄することになってしまうと損失額がかなり高くなります。
うっかり期限が切れたら、てへぺろではすみません。
薬局の棚卸についても説明しておきます。
前提として、棚卸しは会社によってルールが違うことがありますのでそこはご了承ください。
基本的には年に1〜2回、店舗にあるすべての薬を数えます。
理論在庫(納品した薬と処方された薬を計算した数値)と実在庫(実際にある薬の数)の差を比較して、損失額の確認やミスをあぶり出すことができます。
またそこで理論在庫と実在庫を一致させることができるため、患者から薬の不足の訴えがあった際に、交付ミスかどうかの判断材料として理論在庫が活用できるようになります。
理論在庫と実在庫があっていなければ、間違えたから数が違うのか、元々ずれていたのかが分からないためです。
ただ、薬局によってはシステム上、理論在庫が確認できない場合もあります。
薬局の在庫管理については以上になります。
薬が置いていない、足りないといったことがありご迷惑をおかけすることもありますが、できる限り不足しないようどこの薬局でも努力を重ねています。
FAXやネットを利用した受付などで先に情報を薬局に送っておくとスムーズに受け取れる場合がありますので、時間に余裕があればFAXやネットを利用することをお勧めします。
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